半衿の簡単な付け方

半衿は、長襦袢の衿にとりつけ、衿芯を差し込んで衿にハリをもたせたり、首回りの汚れを防止するものです。
礼装には、白が一般的ですが、刺繍半衿などで華やかに装うことができます。

簡単な半衿付けをご紹介します。
ポイントは、見えないところは気にしないということでしょうか。

1・半衿・長襦袢衿のそれぞれの中心をマークする。
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2・中表に、長襦袢身ごろ寄りの衿端1~2センチのところに、半衿の端1~2センチを合わせる。
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3・合わせた1~2センチのところから半衿を折り返す。中表にしていたので、折り返すと長襦袢も半衿も表が見えている状態になります。
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4・長襦袢の衿に半衿をかぶせ、見せたい柄を決める。クリップや待ち針で仮止めしておく。
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5・先ず、長襦袢の表の方から縫い付けます。背中心から左右外側(衿先)に向かって、この部分は見えませんので縫い目を気にせずに縫います。
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6・表側を左右縫い付け終わると、半衿で長襦袢衿をたるみなく包み込み、余った半衿の端は、中に折り込む。
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大きなクリップは、左右の衿肩あき(背中心から肩)の位置に留めています。長襦袢は裏側(身体に接する側)が見えています。
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7・衿肩あきから衿肩あきまで(背中心から左右それぞれ8センチほどの範囲)の部分は、半衿を引き気味(カーブになる部分ですので、内側の半衿にしわをよせないように)の状態で縫い目をめだたせないよう細かい縫い目で縫っていく。背中心を起点に左右それぞれ衿先に向かって。)
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半衿の色(この場合は、白)に合わせた糸を使うとほとんどわかりません。
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8・衿肩あきより外は、またざっくり縫って大丈夫です。黒のクリップが背中心の位置、赤のクリップは衿肩あきの位置に置いています。
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注意すべきは、この部分に差し込み式の衿芯が通るということです。ぴったり衿芯が通る巾に縫い付けるのがベストですが、ぴったりすぎると衿芯がひっかかったり、通らなかったりする危険性が発生します。ほどほどの巾に縫っってください。より丁寧にする場合は、衿芯を通した後に動かないよう見えない位置に縫いとめるようにしますが、この部分は省いても構いません。
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振袖を着るときに必要なもの

下着

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下着の役割は、長襦袢や着物に自分の汗などの汚れをつけないためと裾さばきをよくするためのものです。汗を吸うために、上半身は綿素材、また裾さばきをよくするために、腰より下はすべりのよいキュプラなどの素材がお勧めです。着物の下着としまして、肌襦袢(はだじゅばん)+裾除け、ワンピースタイプのきものスリップなどがあります。お手持ちのものがございましたら、そちらをご活用いただいて問題ありません。これからご購入される場合や両方お持ちの場合の選択のご参考までに、それぞれの特徴をご説明させていただきます。

<肌襦袢・裾除け>
肌襦袢と裾除けは、それらの効果に加えまして、丈や襟ぐりの調節のし易さ、またヒップやバストに適度にフィットさせることによりヒップアップやなだらかなバストにする効果があります。裾除けの余り部分はウエスト補正にもなります。調整がし易いということで丈を短く着付ける袴にも対応がしやすいと思います。将来の体型の変化にも対応の幅が大きいと思います。

さらに、上下が分かれていることで身体の動きを妨げない心地よさがあるためか、着物愛好者の方の多くは肌襦袢と裾除けを好んでお選びになるようです。

肌襦袢の素材としましては、肌触りが優しくあたたかいガーゼのものと、吸汗・発汗性に優れたさらしがあります。寒い冬の防寒には、ガーゼがよろしいかと思いますが、屋内で過ごされる場合は熱が籠るということもありますので、ご注意ください。一方さらしは、ガーゼほどの保温性はありませんが、一年を通して着ていただけますので、とりあえず一枚だけ新調なさる場合にはさらしがよろしいように思います。

<きものスリップ>
ワンピースタイプのきものスリップも、汗や裾さばきには効果的で、お洗濯や収納にもあまり手間が掛かりません。価格もお求めやすいものが多いと思います。様々なタイプのものがございますので、襟ぐりの開きや裾丈につきましては、ご購入の際にお確かめいただくと安心かと思います。

やはり、きものスリップの利点はなんといっても脱ぎ着の手軽さなので、着物初心者の方には人気があるようです。振袖を着られたことをきっかけに着物に興味をもたれて、着付け教室に通うお嬢様もいらっしゃるようですので、その折にもきものスリップは活躍してくれそうです。

足袋

第一礼装としてお召しになる振袖には、白い足袋を合わせます。
綿素材の足袋、化繊の足袋、混合素材の足袋などがございます。肌触りや汗の吸収を考えますと綿素材がよろしいかと思いますが、足袋を履きなれていないお嬢さんの足には、ストレッチの効いた綿混素材の足袋が楽かもしれません。
最近のお嬢さんは、頭に羽根つきの帽子を被り、レースの伊達衿で衿を飾り、プチ兵児帯(へこおび)を帯揚げ代わりに・・・そして、トータルコーディネイトとして足袋も華やかな柄物をご用意になられて、個性的なお洒落を楽しんでいらっしゃいます。
足袋は意外と目立ったり、お身体に影響しますので事前に履いてみられると安心かもしれません。

補正用タオル

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わたくしが学びました小春流着付けでは、補正は主にタオルでいたします。その上で、足りない部分に詰め物をいたします。ただし、細かい繊維が飛散してお客様にご迷惑をおかけしないように、その場で綿花をちぎるなどの行為は避けております。
お客様によりそれぞれ補正の必要な場所や厚みは違いますので、普通のタオル2枚薄いタオル2枚、または薄いタオル4~5枚のご用意をお願いしております。お客様の多くは、立派な分厚いタオルをご用意くださいますが、薄いタオルは微妙な調節ができますので、是非薄いタオルのご用意をお願いしたいと思います。
また、真新しいものよりも、洗いざらしの方が肌馴染みもよく、汗の吸収もよろしいと思います。
タオル補正は、着崩れ防止とお身体にあたる紐からの負担の軽減のためにも、是非ご用意いただきたいものでございます。
普通の厚みのタオルと薄いタオルの写真を載せておきますので、ご参考にしていただければ幸いです。

腰ひも4本~5本

振袖の時に使用する腰ひもは、補正・長襦袢・着物の腰・胸に締める4本が必要となります。それ以外に、長襦袢の裾丈調節・伊達締め補助・帯結び補助などに必要となる場合もございますので、ご用意は5本あれば安心です。
腰ひもの材質も様々ですが、一番のお勧めは、ウール素材のモスリンです。特に、重さのある振袖を支える腰にかけるひもには、すべらないモスリンが最適かと思います。

使用後の腰ひもは、よれていたりしわがよったりいたします。
そのままご使用になられますと、身体に線であたってしまい、お身体に負担となる場合もあるかと思います。
アイロンをかけるなどしてしわを伸ばしていただくと、面でひもを身体にフィットさせることができお身体への負担も軽減されるかと思います。

伊達締め2本

長襦袢
半衿
衿芯
振袖
重ね衿(伊達衿)
コーリンベルト
帯板(前・後ろ)2枚
三重紐
帯枕+ガーゼ

帯揚げ
帯締め
草履
バッグ
雨コート